サクソフォーンの音色について 後編

 

今回は前回の続き、サクソフォーンの音色を左右する3つの要因について説明します。

 

前編はコチラ!

 

 

(1)楽器的要因

 

誰しも、自分の楽器やマウスピースにはこだわりがありますよね。


サックスという楽器はご存知の通り、リードの振動により音が出ます。

発音体であるリードが固定されているマウスピースや楽器本体にこだわるのは当然ですが、自分の身体もリードに触れているのでここでは自分の身体も楽器と考えます。


演奏中にさっきと少し違った音を出したいときに、その場でセッティングを替えることはできません。

出したい音に応じて吹き方や身体の使い方を変化させる必要があります。

 

僕は自分の頭の中で鳴っている音を楽器で再現するために、一つのセッティングで出せる音色の幅を広くする練習をしています。

例えばこれ以上柔らかくできないくらい柔らかい音でロングトーンして、次に限界まで硬い音でロングトーン。

それに加えて柔らかい音でロングトーンしながら徐々に硬い音に変化させるという練習は、とてもおすすめです。

 

例えば、サブトーンから普通の音、普通の音からサブトーンに滑らかに音を変化させることはできますか?

この中間の音、つまりほんの少しサブトーン気味な音、ちょっとサブトーン、まぁまぁサブトーン、結構サブトーン、めっちゃサブトーン、、といった全ての音を使えるようになりましょう、というようなことです。

 

他にも明るい音と暗い音、雑音の多い音と少ない音などで練習してもいいでしょう。

僕はこれらのイメージを組み合わせてさらに立体感のある音色を作れないか研究しています。
楽器的要因を磨いてフィジカル的に出せる音色の幅を広くすることは、絵画で使える絵の具の種類をたくさん持っておくことと同じく、表現力そのものに直結すると思います。

 

 

(2)外的要因

 

どんな音を「良い音」とするかは、個々の感じ方だけでなく場の雰囲気、曲の流れなど様々な要因が絡んで総合的に判断されるものだと思います。

一人でロングトーンして綺麗な音というのはもちろん大事ですが、ジャズスタンダードやクラシックのエチュードを演奏するなかで雰囲気やメロディーの流れを汲み取った音色が「良い音」だと考えます。

 

外的要因のなかで演奏中に変動しないものとして、歌詞など曲の背景、曲のメロディーやコード進行が挙げられます。

これらは日頃の勉強から自分の解釈を反映させるよう努めます。
共演者の音や観客の様子を含めた環境も外的要因ですが、こちらは常に変化します。

むしろ演奏中に及ぼす影響としては、こちらがメインですね。

常に五感を研ぎ澄ませて音場の中で今何が起こっているかを観察しながら、音場に対して「良い音」を奏でていきたいものです。


僕は音楽の流れの中において出来る限り効果的な音色で吹くことを心掛けていますが、外的要因に流されるだけというのも演奏を単調なものにしてしまいます。

自分発信で仕掛けること、内的要因から外部に働きかけることも大事にしています。

 

 

(3)内的要因

 

誰でも演奏中に何かを考えることがあると思いますが、なんらかの感情や思考を音色に含ませて外部に働きかけようとすることをここでは内的要因と考えます。

外的要因に対するレスポンスだけでなく自分の気持ちや感じたことを吹くことは難しいですが(というかそんなこと出来たら達人です)、自分が心がけていることは音場を客観的に見ること、音楽に没頭することです。


全体を客観的に見ながら、今出している音は流れの中で意味があるか、自分で「良い音」だと思えるかなど、その時その時で自分が納得できる音で吹くようにすると説得力が出てくると思います。
音楽に没頭することはこれらのように考えをめぐらせることとは間逆ですが、最終的には「外的要因により楽器的要因を変化させる」などのプロセスを経ることなく演奏できる境地を目指したいと思っています。

 

サックスという楽器は一つのセッティングで出せる音色の幅が広く、趣味趣向や考え方が演奏に大きく反映されます。

そんな楽器だからこそ練習ばかりでなく音楽以外の経験も大事だと思いますし、自分がこれまで体験したことを音に含ませることができるプレイヤーに憧れます。


今回はこのくらいで。ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回は音色において超大切な姿勢の話をしようと思います。

 

 

 

 

サックス講師 津山遼

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